帝王切開で二度の出産(一度目の話
私は二度帝王切開で出産をしました。一度目は、妊婦健診では問題なく順調でした。予定日を5日すぎた朝に少量の破水しましたが、出産にむけて色々と読んだ本や知識で、陣痛が定期的になるまで待ったほうがいいと思い…破水した旨を病院に電話したあと「しばらく戻ってこれないから」とお掃除をしたりシャワーをあびたりしました。(後に、破水後の入浴を怒られました。衛生面で安全ではないそうです)
朝5時に破水し、11時になっても、陣痛は不定期でした。痛みは生理痛をかなり激しくした感じで、腰と下腹部をドーンドーンと太い木の棒で叩かれている感じです。痛みのある間は立ち上がることはできず、うずくまっていました。脂汗がでる痛さでした。今考えれば、よく我慢してたなあと思います。この我慢もあとで、怒られることになります。いいことなし!
これが赤ちゃんの異変とSOSだったのに気が付かず、痛みは波があるので、陣痛はこんな感じなのか…と構えていました。11時半に病院から電話があり「なぜまだ受診しないの?」とやや慌て気味に看護師さんから言われ、状況を伝えると、一度すぐに受診しましょうとのこと。ものすごくおなかがすいていたけど、なんとなく一切食事はせず病院へむかいました。
病院へつくと、少量の破水があった為か、優先的に診察を受けることができました。おなかにモニターを付け、先生がおなかに聴診器をあてるとその瞬間先生の顔色が変わって、隣にいた看護師さんに「すぐに医療センターに電話つないで」と言い、私のおなかを撫でて「落ち着いてね」と何の説明もなく慌てて診察室をでていきました。先生がでていくとすぐに看護師さんが戻ってきて私の手足をさすって「今、救急車を呼んだからね、ご主人は先に医療センターに行きました。ちょっと赤ちゃんの様子が心配だからすぐに行きましょうね」とゆっくり話してくれました。私は頭が真っ白になって、「私に聞かずに先に医療センターに連絡??旦那さんがもう医療センターへ??」と混乱していました。
車椅子に乗せられて救急車までいくと、看護師さんも同乗してくれて足をずっとさすってくれていました。病院へつくと担架で運ばれながら数名の看護師さんから最後の食事は何時かと、破水したのは何時か、体調はどうかと聞かれ、同乗していた看護師さんから医療センターの看護師さんへ私のカルテが渡されました。処置室を通過し、オペ室へ向かいながら医療センターの看護師さんが「今から緊急帝王切開をします。本人のサインが必要だけど、書類は全部、旦那さんに書いてもらいました。ごめんね、急なことでびっくりしているかもしれないけれど、絶食できてくれて本当に良かった。全身麻酔でオペをします。」とストレッチャーの上で運ばれながら説明を受け、手術室に入る直前に「旦那さんに話しておくことはありますか?」と言われました。
「お昼ご飯、まだだったよね、売店で何かかって食べてていいよ」と話しかけると横から看護師さんに「だめですよ!手術中はここにいてもらわないと!旦那さんのことより、あなたのことを心配して、今からオペなんだよ」と早口で言われ、旦那さんからは涙目で「サインしたくないような項目がたくさんあって(手術の承諾書は最悪の想定をしたこともかいてあるので)でもサインしないと手術できないからって言われてサインしたよ、がんばってね」と言われました。
あっというまに着替えさせてもらい(ほぼ裸)麻酔科の先生から全身麻酔の説明をされながら、おしっこの管をさされ、どんどん点滴やモニターを全身につけていかれ、麻酔科の先生が手術をしてくれる先生達を紹介してくれたのち「じゃあ5秒数えるうちに眠りにはいりますよ、5・4・3・2…」まで聞こえると私はもう眠っていました。
目が覚めるとベッドの上、喉が焼けるように痛くて体は動かせないようなダルさがありました。全身麻酔をしたので人工呼吸するために気管挿管をしていたらしく、それを抜いた痛みが喉の痛みだったようです。すごく喉が渇いたけど、絶飲食だったので、何度もベッド上でうがいをさせてもらいました。赤ちゃんの産声を聞きたかったなあと思いましたが、仮死状態で産まれたので産声はなかったそうです。(初めの病院で聴診器をあてた先生が慌てたのは、赤ちゃんの音が確認できなかったからでした)手術室の外にいた旦那さんは産声が聞こえないことに血の気が引き、もうだめかと思ったそうです。でも先生や看護師さんたちのおかげで無事に呼吸をし心拍も戻り、死産にはならずにすみました。小さく産まれたためNICUに入ることになりましたが、それはまた別の記事にあげようと思います。
本で読んでいたような、出産後の涙の赤ちゃんとの対面や抱っこは全然できなくて、へこんだかと思ったおなかはまったくへこんでおらず、色々と衝撃でした。翌日すぐに初乳は是非赤ちゃんにあげてほしいからと搾乳したものを点滴をつけたままヨロヨロとNICUにもっていき(入室も面会もできない) 2時間おきくらいに届けにいきました。お腹の傷の痛みは翌日くらいからでてきて、トイレに行くのも辛かったです。帝王切開なのに痔にもなりました。しかも「超緊急だったため傷が目立たないように、最近は横にメスをいれるところを、縦にメスをいれたよ」と言われました。傷は下着に当たるし、とても痛かったです。
先に一人で退院した私は2週間も入院していたけれど、一度も赤ちゃんを抱っこすることはできませんでした。赤ちゃんには黄疸がでたり、呼吸状態が良くなかったので、点滴と酸素が常についていて、透明のケースの手をいれる穴からそっと触るくらいでした。ふっくらした赤ちゃんではなくて、やせ細った小さな「長男」の成長記も別の記事でお話しようと思います。
超緊急帝王切開を体験した私が、今妊娠中のママさん達に伝えたいことは
たくさんの情報があふれていて、つい病院の迷惑にならないようにとか、これは知ってるから、などと遠慮せずに、初めてのことや、ちょっとでも異変を感じたことは、病院へ行ったり、電話で相談したりしたほうがいいということです。心配症でも、結果なんともなかったとしても、一瞬はずかしいと思うだけで赤ちゃんが無事なら良いと思います。我慢しすぎて赤ちゃんを苦しい思いをさせてしまうより、恥ずかしい気持ちだけで赤ちゃんを守れるならそちらのほうがずっと良いと思います。長男が命を落とすことなく産まれてきてくれて本当にありがたかったし、良かったです。もっと、早く病院へ行ってたら、もっと早く二度目の電話を自分からいれていたらと後悔したので、私のような経験をみなさんにしてほしくないなと思いました。
良かったことのまとめ
①破水後すぐに一度病院へ連絡していた
②食事をとらずに我慢していた
③たまたま旦那さんが休日の日だった
④いつでも入院できる準備をしていた
反省点
①破水後2時間後、病院へ連絡すべきだった
②出産をむかえるかもとシャワーをあびた
③健診も順調だったしと油断していた
体験談なので、私だけの話でみんな同じではないと思います。質問やご意見があれば、遠慮なくコメントやメールにてご連絡ください。追加記事もあげていく予定です。